乱読家ですが、何か?

読書メーターで書ききれないことを残すためのブログです。

エッセイ

#146 グーグーだって猫である1  大島弓子著

「差し当たり実現不可」のラベルを貼って封印している犬猫(を飼いたい)熱が再燃してしまうじゃないのーーー と、叫びたくなるような猫との暮らしを描いたエッセイ漫画。 グーグーの変な行動や、翻弄される飼い主(著者)の姿をにやにやしながら読み、また…

#142 中年だって生きている  酒井順子著

先月私は48歳になった。36の年女ではなく48の年女。 思えば遠くへ来たもんだの心境で、もうすっかり自分が中年であることを認めている。 けれどもまだ心のどこかに若さにしがみつきたい思いがあることも自覚している。 自らをおばさん扱いする(ことで笑いを…

#111 夜中の薔薇  向田邦子著

この本もまた、日本にいる友人が送ってくれたもの。 ロックダウンでついに古本屋も一時休業してしまった(今は再開)ので、ありがたみが余計に身に沁みる。 向田邦子さんといえば、“寺内貫太郎一家の脚本を書いた人”であることはそのドラマを観ていなくても…

#109 閉経記  伊藤比呂美著

四十肩、老眼、閉経。 この3つが、目下私の個人的な激熱トピックスである。 肩、というより上腕(右腕のみ)に痛みが現れたのは一年ほど前のこと。 はじめは原因不明の筋肉痛のようなものだと思って放っておいたが、これがなかなか治らない。それどころか痛…

#81 つんつんブラザーズ The cream of the notes 8  森博嗣著

友人が読書メーターに書いていた数行の感想が興味深く、BOOK☆WALKERで試し読みをしかけたけれど即座に×(閉じる)をクリック。少し読んだだけで、これ途中で止められないやつだとわかったから。 さらに、こういう「ピンポイント」で「今」読みたいものは、古…

#79 幸福を知る才能  宇野千代著

これも海を越えてやって来てくれた一冊。 以前読んだ『行動することは生きることである』と同様、波瀾万丈の人生を送った大先輩からの教えを乞う真面目な生徒のような姿勢で読んだ。 さりとて恋愛とは少し距離のある今の私は、著者の若い頃の激しい失恋話や…

#67 如是我聞  太宰治著  

どんだけ太宰。 と自分で思うくらい、結果的に自粛生活を太宰に捧げている。 この本では、文壇の「老大家」および志賀直哉の悪口、というか、志賀直哉が太宰の悪口を言っていたことへの反論が滔々と語られている。 しかし、世の学者たちは、この頃、妙に私の…

#66 太宰治情死考  坂口安吾著  

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』にも登場する坂口安吾(演者は藤原竜也さん)。 バーで一人酒を呑む太宰の前に至極酔っ払って現れ、煽るように言う。 「太宰、書けよ、傑作。」 「人間は、堕ちる。生きてるから堕ちる。なあ太宰、もっと堕ちろよ。」 …

#59 おばさん未満  酒井順子著

これは、ちょうど著者が今の私くらいの年齢で書かれたもの。なので、同じ世代の目線で読み、40代という微妙な年齢についてあれこれ考えた。 よく、テレビや雑誌で妙齢の女性(女優なりタレントなり)が生き生きと「40代って楽しいわよ~」みたいなことを…

#51 下に見る人  酒井順子著

他人を下に見ることで安心したり優越感を得ることは、しばしばある。 以前はわりと無自覚だったそのことに最近は意識的になっている。 あ、私は今この人を見下したのだな、自分の方がマシだと思おうとしたな、そう俯瞰する。 それで反省するかといえば、実は…

#48 行動することは生きることである 生き方についての343の知恵  宇野千代著

ここでこうしたらこうなるかも、これをこうやったらこんな可能性が、などと次の一手どころか次の次の手まで熟考できるのは大人っぽさでもあるけれど、考えているだけでは何も始まらない。 You行動しちゃいなよ! そんなふうに背中を押されるようだった。 そ…

#39 女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。   ジェーン・スー著

ゴロウ・デラックスで‘独身アラフォー女性「心をザワつかせるアイテム」への葛藤を描いた一冊’と紹介されているのを観た。 タイトルにある「甲冑」とは? その解説として番組では稲垣吾郎氏(‘氏’が似合うなあ。もう吾郎‘ちゃん’ではないなあ。しみじみ。)…

#5 チャンス  太宰治著

あの太宰が、恋愛をディスってる! これが感想のすべてといってもいいくらい。 でもさすがにこの一行だけでは語弊もあるし感想ブログにならない(ので続ける)。 あの太宰、というのは周知のとおりの、献身的な妻がありながらも女の影が絶えず、そのうちの誰…