2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧
村田沙耶香を一躍有名作家にした芥川賞受賞作。 これを読んで、「普通」とは何か、そして「普通」じゃない(と見なされた)人の生きづらさについて考えさせられた、というのが多くの人の持った感想じゃないだろうか。 私が今感じているのは、この小説で「普…
仕事柄、短い文を穴が開くほど眺めたり、その文を解体したり再構築してみたり、新たに一から作り直したり、そういう時間が多い。 この一か月はとくに、寝ても覚めても文字列と睨めっこで、微妙な違いをもつ日本語独特の言い回しに呪われそうなくらいだった(…
「悪」とは何か。そして、「悪よりいやらしい悪」とは。 これが本作のメインテーマ。 かと思いきや、そんなに堅苦しい話ではなく、背筋を伸ばす必要はまったくない。 最初から犯人のわかっているサスペンスとして愉しく読むのが正しい。 遠藤周作の代表作と…