その他
私は今怒っている。 頭のてっぺんからプンプン音がしそうなくらい、怒っている。 なぜならこの平林某が、私の敬愛する江戸川乱歩大先生を批判しているからだ。 江戸川乱歩といえば、私の読書歴において絶対に外すことのできない、人生を変えられたと言っても…
私の中では「タケちゃんマンだった人」で「フライデー事件の人」でしかなかったのが、いつの間にか世界のキタノとか言われるようになり、さすが! みたいな扱いになっていることにずっと納得がいっていなかった。 お笑い芸人としても、映画監督としても、俳…
「死」というと、とんでもなく壮大なテーマに聞こえる。 哲学的に語ることもできれば、スピリチュアル方面、医学的生物学的見地、宗教観、様々な切り口がある。 ただ、どの角度から見ようとも、私たちヒトを含めた生物はみな生まれた時から必ず訪れる死に向…
日本で育った者ならば、昔話といえば桃太郎を真っ先に思い浮かべる人が圧倒的大多数だろう。 そのくらい有名な桃太郎。桃から生まれた桃太郎。犬猿雉を連れて鬼ヶ島へゆき、果敢に鬼退治をした正義の味方、桃太郎。 しかーし 芥川龍之介にかかれば、スーパー…
小説『砂の女』が映画になっているというのを聞いた時は、あの砂の世界を一体どうやって映像化したのか(そんなことが可能なのか)と半信半疑でいたのだけど、運良くYouTubeで観ることができた。 日本で砂丘といえば、行ったことはなくてもまず鳥取砂丘が思…
エモーーーーーー エモいという言葉はまさにこの映画を観た時のために用意されていたのではないかと本気で思うくらい、エモいとしかいいようのない感覚に最初から最後まで、否、一週間経っても消えないままだ。 漫画がクラス内で出回り、授業中机の下でこっ…
アンソニーではなくテリィが好き。聖子派ではなく断然明菜派。流川じゃなくて三井。ハットリくんよりケムマキくん。 物心ついたときにはもう王道から外れまくっていた私。 最近よく聞く「逆張り」なんていう意図的なものが芽生えるもっともっと前の幼い感覚…
小説では「いい家族だなあ」と思えた主人公の両親が、映画だと違って見えた。 娘のことを思い、娘のために良いと勧められた水をただ信じているのは同じだし、生真面目に水で浸したタオルを頭に乗せている姿は滑稽でもありいじらしくもあるのだが、彼らが心配…
2021年の一発目は『スカートの下の劇場』(上野千鶴子著)の感想で新年早々パンツの話だった。 奇しくも2022年も上野千鶴子で幕を開けるとは、なんの因果か。 それはさておき、まず本書のサブタイトルに触れておくと、私は3.11を知らない。 もちろん出来事と…
ドラマには、夢があっていいなあ。夢があるドラマって、いいなあ。 エッセイ『夜中の薔薇』を読んだ流れで、アナザーストーリーズという番組、からのこのドラマを観て、改めてそう思った。 アナザーストーリーズでは、“平凡な主婦が隣りの女の情事に刺激さ…
思い返せばこの数年の間、慢性的な鬱状態が続いていた。 心の不調がイコール鬱ではないし、すぐに「鬱だ鬱だ」と診断する医者、あるいは自称する人は危険だし信用できない。 と、基本的にはそう思っていたのだけれど、鬱“状態”であることは自分でも認めざる…
原作は吉本ばななのデビュー作であり一躍有名作品にもなった小説『キッチン』。 リアルタイムで小説は読んだけど内容は全く覚えていなくて、映画も観たと思っていたのにやっぱり記憶はあやふや。 時は80年代後半。 この時代ならではのキッチュなファッショ…
1995年3月20日の朝のことは、ところどころ記憶にムラがあるものの、未だに忘れもしない。 怠惰な大学生だった私は、授業がなかったのかサボったのか若しくはもう春休みだったのか、いずれにしても昼まで起きないことも珍しくない生活をしていて、その…
ある時期からこの著者に警戒心を持つようになった私は、読む前から、この本にはうげえっとなるようなことも書いてあるかもしれない、と身構えていた。 うげえっとなるというのは、このブログで何度も書いている、綺麗すぎるスピリチュアル論に対するアレルギ…
著者は、映画『太宰治と三人の女たち』では二階堂ふみが好演していた愛人2である山崎富栄。 愛人1(太田治子)との公平性を保つためにこっちも読んでみたのだけれど、これは読んで良かったと思えるものではなかった。 素人の日記なので読み応えがあるとか…
新進作家と呼ばれた二十六、七の頃の自身を振り返りった自伝的作品。 それはちょうど矢田津世子と出会い恋をした時期と重なる。が、話は矢田津世子との純愛一本というわけではなく、あちこちに女が出てきてまあチャラいこと。 モノクロ写真でしか知らない作…
人生何度目かの太宰ブームが止まらず、娘の手記にまで手を出す始末。 母・太田静子は『斜陽』の基になった日記を書いた人で、太宰の愛人でもあった女性で、静子と太宰の間に産まれたのが本書の著者太田治子だ。 あの太宰の子、それも正妻の子ではなく愛人の…
『人間失格』(太宰治著)の感想の余談として、公開が危ぶまれた映画もとても気になると書いたが、運良く自宅にいる時間が圧倒的に増えたタイミングで観ることができた。 このブログでは基本的には本の感想しか書かないのだけれど、この映画は、ここがいい!…
24時間テレビにせよドキュメンタリー番組にせよ、ノンフィクション本もまた然り、初めにゴール(結論)ありきのストーリー仕立てにはやっぱり異論を唱えたくなる。 この本は、タイ・バンコクのコールセンターで働く(働いていた)日本人をインタビューした…
いわゆるビジネス書というやつを、多分これまで一冊も読んだことがなかった。 ビジネスという響きは私にとって遠い世界のもので、自分には1ミリも関係のないものだと思っていた。というか、今もそう思っている。 ではどうしてこの本を読んだかといえば、幻…
私はいろいろな物事に対して性善説というのは綺麗事に思えて好まず、性悪説側に立って考えがちであるのに、どうしてか、男と女のこととなると急に平和主義というか平等主義になる。 日頃、男って! おじさんって! と、腹を立てることはある。このブログにも…
ある読書家の友人が、「あれは読んだ?」と話題に挙げてきた中の一冊。 首都圏連続不審死事件、またの名を婚活連続殺人事件をモチーフにした小説だと、ざっくり聞いただけでもう読みたくてうずうずし始めていた。 電子書籍ならすぐにでも読めるのは重々承知…
今回は本の感想ではなく、感想の感想です。 ある友人が書いたこの本の感想の中に興味深い引用文があったので、それを読んで考えたことを書いてみようと思います。 私は谷崎潤一郎は小説なら何作か読んだことがありますが、これは文章・文体について書かれた…